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ニジェール総合保健センター建設完成までの歩み

 
ニジェール総合保健センター建設を終えて
  • 完成した保健センター
    完成した保健センター

  •     WFWPのロゴの入った看板
    WFWPのロゴの入った看板

  •  村人たちによって建設された保健センター
    WFWPの寄付金で
    建設された保健センター

  •  12/31完成セレモニー
    12/31完成セレモニー

  • 小学校訪問。
    主催したマデニタデタ村村長

  •  現地の子供とペンキ塗り
    ガビ区長  

  • 工事中の保健センター
    工事中の保健センター  

  • 電気は通らないが付けられた電気扇風機
    電気は通らないが付けられた電気扇風機  

  •    建設中の保健センター
    建設中の保健センター  

  • センター建物とは別にトイレの建設
    センター建物とは別に
    トイレの建設


【ニジェール活動報告】
・貧困国ニジェールで20年間継続して医療支援
・大統領特別プログラムでの保健小屋建設依頼
・移動診療から保健小屋建設支援に変更
・12年待ち望んだ地域への建設支援
・現地からの工事進展状況の報告
・盛大に完成セレモニー

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■ニジェール総合保健センター建設

2016年10月~12月
マダロンファ郡ガビ区マデニタデタ村
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■ニジェールでの20年間医療支援活動
世界最貧国の一つニジェールは、サハラ砂漠南端に位置し、人口1990万人、国土は日本の約4倍の広さです。
ニジェールの抱える課題は貧困、経済破綻、教育、医療など数えきれませんが、私たちは1997年から20年間に渡り、医療支援を中心に活動を続けてきました。
今回、マダロンファ郡ガビ区マデニタデタ村の「総合保健センター」の建設が無事に終了しました。

✿「医療貧困国」ニジェール

 首都ニアメを除くほとんどの地域は、半径5km以内で医療施設を利用できる人の割合が、地域の人口の半分以下といわれています。
特に僻地の村では交通手段も乏しく、医療機関への道のりは村の人々にとって大変な苦労となっています。

✿大統領特別プログラムでの保健小屋建設

そのような事情から、僻地の「保健小屋」の建設が2001年の大統領特別プログラムにより実施されることになりました。
それまでは、各郡病院の下に幾つかの地域に設置された「総合保健センター」だけでした。
大統領特別プログラムは、総合保健センターの下にある、さらに小さな地域に保健小屋を設置することによって、医療サービスを広範囲に補うことを目指しています。保健小屋建設は、総合保健センターから半径15km以上の地域に優先的に建設が進められ、今では500ヶ所あまりに建設されています。

✿保健小屋の不足でWFWPに建設支援要請

しかし、まだまだ保健小屋を必要とする地域は多く、私たちが今回建設支援を要請されたマデニタデタ村もそのような地域でした。
支援を決定した後に私たちに届いた情報ですが、マデニタデタ村は、2004年に一度保健小屋建設の候補地となり、2ヘクタールの土地が確保され、保健省の認可の準備が進められていました。。
ところが急に他の地域が優先され、計画が中断されました。それでも村では計画を保留にして、建設が実現する事を12年も待ち望んでいました。。
そのような経緯があったため、建設実施はアフリカでは驚くほどスムーズに進めることができました。

✿保健小屋建設支援決断の経緯

村の事情とは別に、私たちには建設に踏み切った経緯があります。
それはニジェールへの日本人の渡航が非常に困難になったことです。
2000年に無医村の医療支援活動を開始し、移動診療活動、配置薬形式の薬箱の設置、保健衛生教育など、無医村の人々に医療サービスの提供を行ってきました。それは村の人々に、身近に診療の機会を与えることであり、貧しく薬を買うことのできない人々に適切な薬の支援を行うためでした。
これまでにも保健省からは保健小屋建設の協力要請が幾度かありましたが、その頃は移動診療活動こそが貧困国の僻地医療の最善策と考え、手ごたえもあったため、要請には応じていませんでした。
しかし2013年以降、日本人がテロに巻き込まれる事が多くなり、さらに隣国ナイジェリアのテロ組織ボコハラムの拠点がニジェールの国境沿いにあることから、日本外務省ではニジェーを渡航自粛国と指定しました。

そこで、村の人々に医療サービスをしっかりと提供できるようにするにはクリニックのような拠点が必要であると考え、今回マデニタデタ村からの熱心な要望に応え、保健小屋建設支援を決断しました。

✿現地からの工事進展状況の報告

 2016年11月中旬に建設工事が始まりました。
予定地にたくさんのブロックが並べられた写真が送られてきました。そして程なくブロックが積み上げられ、建物の形が出来あがった写真が届きました。
工事のあまりの早い進行に、「ニジェールでは建物の基礎工事はしっかりしないのですか?」と疑問の声が上がり、在日ニジェール人のイブラヒムさんに尋ねると、ニジェールでは地震がないから問題ないとの返事でした。私たちが1994年の入国以来、何回も聞いた言葉、「Ca va, pas de problem.(大丈夫、問題ない)」は日本とニジェールの気質の違いを、良くも悪くも象徴しています。広大な大地に生きる人々はどこまでも大らかです。
  建設工事の現場にはいつも工事を見守る村人の姿がありました。村の女性たちは現場の作業員のために食べ物を運びました。貧しい村では食べ物の差し入れは余程のことがない限り、あり得ない事だそうです。イブラヒムさんの話によると、村人が食べ物を運ぶ行為は、保健小屋の建設を村人が本当に喜んでいる証拠なのだそうです。
工事は着々と進み、12月末に完成しました。
入口のプレートにはWFWPのロゴと『世界平和女性連合日本の支援』と文字が刻まれました。建物の広さは約71.3㎡(約22坪)で、待合室、診察室、処置室、管理室、分娩室、薬局があります。中は綺麗なタイル張りの明るい室内です。

✿派遣員が入国できない中での建設

今回は派遣員が現地に入国することができなかったため、細かい確認ができず、思わぬことが2つ起こりました。 そのひとつは、写真を見ると天井にはなぜか電動式の扇風機が取り付けられていました。僻地の村に電線はありません。日中は40℃近くに気温が上がる国なので確かに扇風機は必要です。しかし設計図では確認できませんでした。せっかく取り付けられた扇風機が使えないのではもったいないので、私たちにはソーラーパネルの設置という宿題が残されました。ニジェールは雨期以外、まったく雨が降らず、有り余る太陽の熱がありますから、ソーラーパネルがあればどこでも電気を作ることができます。

✿保健小屋から保健センターへの昇格

もうひとつは、私たちが建設した建物は「保健小屋」から昇格して、「総合保健センタ―」として認可されたことです。そのおかげで、上級看護師の配属が決まり、バイクも支給されました。村から私たちに打診があった時は確かに「保健小屋」だったのですが、設計の時点で手を加えているうちに、「総合保健センター」の様式に変えたようです。それにともなって費用もいつのまにか追加されました。しかし、見積書はいつまでも「保健小屋」と書かれたままだったので、私たちは「総合保健センター」になったことに実は大変驚きました。ニジェールの医療制度では、保健小屋は6か月程の教育を受けただけの村の地域保健員が医療実務をする決まりなので、そこには常駐の医師や看護師は置いてもらえません。ですから総合保健センターへの昇格と、常駐の看護師が配属された事は、村の人々にとっても私たちにとっても、大変喜ばしい結果となりました。

✿盛大に完成セレモニーが開催

12月31日大晦日に、ガビ区長やガビ地区の族長、保健省マダロンファ地方局長の立ち合いで、マデニタデタ村村長が主催して、盛大に完成セレモニーが開催されました。 
派遣員の代理としてイブラヒムさんが渡航し、たくさんの感謝の言葉を頂きました。 
これからセンターはマデニタデタ村と周辺の人々の健康を守る大切な場所になっていくことでしょう。村の人々の喜びを添えて、ご支援いただきました日本の皆様に心から感謝申し上げます。

 
<WFWPニジェール派遣員: 宇塚>

 

 
 

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