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ベラルーシ・被災者医療支援活動を20年継続

 
チェルノブイリ被災地域での医療支援活動の歩み
  • シュリンジポンプを寄贈
    ゴメリ小児病院医療用温熱ベッドと
    シュリンジポンプを寄贈

  • 医療器具を贈呈
    医療器具を贈呈

  • 新生児のベット
    寄付したシリンジポンプが設置された新生児のベッド

  • 体内放射能量を測定
    体内放射能量を測定

  • 食品の中の放射能量を検査
    放射能測定機器を使って
    食品の中の放射能量を検査  

  • 測定器を説明する担当教官と
    ゴメリ州ロフコビッチ学校
    測定器を説明する担当教官と

  • 担当教官と子供たち
    モギリョフ州チェリコフ第2学校
    担当教官と子供たち

  • ロシア語によるエイズ予防教育
    ロシア語によるエイズ予防教育

  •  第2回平和のための大会の祝賀会にて
    第2回平和のための大会の祝賀会にて
    日本、ベラルーシ、ロシア、ウクライナの代表


【チェルノブイリ被災者に対して20年継続の医療支援】

・汚染の強いゴメリ州の小児病院へ医療器具の物資支援
・被災家庭支援のための活動費支援
・体内放射能を除去する栄養補助食品配布
・汚染地域付近の学校での放射能啓蒙教育支援
・エイズ予防教育開始
・平和のための国際女性会議と姉妹結縁運動
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■ベラルーシ・放射能汚染と子どもの健康

ベラルーシは、1986年4月26日におきた、ウクライナとの国境近くにあるチェルノブイリ原発事故の影響で、当時、放射能の混ざった死の灰の7割が降ったと言われ、その影響を強く受けています。
既に30年経ちますが、当時の子供が今は親の年齢となり、子供達が健常に生まれる確率が極度に低いとされ、甲状腺がんなどの顕著な病気以外に虚弱体質や心臓疾患なども多く、小児病院は常に満床の状態です。
更に、森で自生する野菜や果物を摂取する伝統的な食習慣、貧しい田舎町の路上で売られる食物による二次被曝も懸念されており、子供達の健康が脅かされています。
そこで、汚染地域に近いエリアでは、放射能汚染の現実と危険性を知り、回避するための教育や啓発が必要となっています。
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【日本からの医療支援と姉妹結縁運動を継続】
1995年、現地のチェルノブイリ支援団体の協力を得て、ウクライナに最も近い南部のゴメリ州を訪問。
ゴメリ州立小児専門病院や孤児院には、白血病の子供や奇形児たちもいて、因果関係がわからないまでも、放射能汚染により特に子供達の健康に多くの影響があることが否めない事実を目の当たりにしました。そこで、私たちは、チェルノブイリ事故により健康を脅かされている子供達の為の医療支援を行っていこうと決めました。
日本と現地を行き来しながら、支援金を作るために、活動報告会やチャリティー行事を行っています。
また、1999年に日本・ベラルーシ姉妹結縁運動を開始したことをきっかけに、医療支援活動と並行して病院スタッフとも姉妹結縁式を行いました。年に1回の交流ですが、医療支援だけではない、女性同士の国を越えた関わりが生まれ、スタッフを勇気づけています。

【ゴメリ州立小児専門病院に医療器具の物資支援】
1999年からゴメリ州立小児専門病院に、実質的な物資支援を行っています。
2001年からは、支援する物資を医療器具に絞って、病院がその時に必要なものを確認しながら、現地調達をするという方針で、毎年、医療物資支援を実施してきました。

●ゴメリ小児病院へのこれまでの寄贈内容
2009 年 TVセット、VTR(教養)
2000 年 コピー機とFAX 
2001 年 マイクロスコープと40,000個の注射器セット
2002年 経皮的酸素分圧測定器1台とシュリンジポンプ1台
2003 年 新生児用光線療法医療ベッド1台
2004年 医療用酸素吸入ガス供給装置
2005年 救急用呼吸器モニター装置
2006年 酸素療法セット(酸素治療器具部品 36個)
2007年 電子モバイル心電計
2008年 チャンネル付き携帯心電計2台
2009年 酸素療法装置
(気管支の吸入管装置2台、真空吸引セット1台)
2010 年 シュリンジポンプ2台と気管真空吸入器1台
2011年 シュリンジポンプ5台
2012年 シュリンジポンプ4台
2013 年 自動多機能肺活量計MAS-1と小児用医療ベッド2台
2014年 新生児用温熱ベッド1台とシュリンジポンプ1台
2015年 緊急用輪状甲状膜切開用カテーテル4セット
(緊急の気道確保に使用)と、パラフィン用保温装置1台
2016年 生検鉗子と、ホルター心電モニターケーブル2種、電子自動ディスペンサー2台、コンプレッサー式吸入器1台

【被災家庭のための活動費支援】
青年ボランティア団体「アルテラ」が被災者家庭を支援するプログラムやイベントを行っていることから、2006年に活動費支援を始めました。
クリスマスにサンタクロースに扮してギフトを持って被災者家庭を訪問したり、病院訪問で一緒にイベント等を行ったりもしました。

【体内放射能を除去する栄養補助食品ビタペクトを配布】
2007年に、平和財団の紹介で、放射能防護研究所「ベルラド」のネステレンコ教授に会い、チェルノブイリ事故後のベラルーシの被ばくの現状と、連鎖的に続いている子供達の健康被害について、体内に蓄積されている放射能量がある一定の数値を越えると疾病を引き起こしやすくなるとの因果関係を示唆されました。
「ベルラド」では、リンゴのペクチンが放射能物質を体外へ排泄する働きを助けるという研究を基に、ペクチンとビタミンを添加した「ビタペクト」という栄養補助食品を開発し、これを定期的に子供達に投与する活動をしています。
今までのきめ細やかな測定結果やデータを通じて、体内放射能量が下がる効果があることを確認し、一人でも多くの子供達がビタペクトを得ることができるように、2008年にビタペクト配布支援を開始しました。

【放射能測定器・探知機を学校に設置して放射能の危険性を啓発】
2010年に汚染地域付近の学校に「リサーチクラブ」を開設。
食品の放射能測定器と空気中の放射能探知機を学内に設置し、専門的知識を習得した担当教官の指導のもと、子供達が食物に含まれる放射能を科学的に測定しています。
子供達が身近に危険があることを知れば、親たちや地域の大人にも伝わり、地域全体の啓蒙につながるというのも狙いの一つです。 2016年は2校で実施しています。

【エイズ予防教育開始】
2011年、「リサーチクラブ」を設置した学校でエイズ予防教育開始。2013年からは、現地スタッフが主体的に他の学校で取り組んでいます。毎年、年間500人ほどの子供達を対象にエイズ予防教育を実施しています。

【平和のための国際女性会議を開催】
2013年より、ベラルーシ平和財団ビテプスクの会長の協力を得て、女性による平和のネットワークを作るため、「平和のための国際女性会議」を開催。これと同時に姉妹結縁式を行っています。平和の文化をいかにつくるか、社会における女性の役割など、テーマを決めて、毎年継続実施しています。

【今後の歩み】
事故後30年を経て、手を引く団体もある中、私達が毎年地道に支援活動を継続していることに対して、現地からは感謝と信頼の言葉が寄せられています。
今後も、これらの支援活動を通じて、子供たちの健康をサポートし、家族のように思いながら、日本とベラルーシの架け橋となり、ベラルーシの未来のために役立つ活動を継続していきたいと思います。

<ベラルーシ派遣員:塩谷>

 

 
 

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